Introduction 1: 絵画の上達をめざして。

◆ Introduction 1◆


● 絵画の上達をめざして


      絵を上手に描くための練習のひとつに「スケッチ」というもの
    があります。
    これは絵の題材となる物を実際に見ながら描く作業です。
    スケッチをしています。「どうすれば上手に描けるの?」
    このような質問をされる方がいらっしゃいます。
    この質問に対して、僕はいつも「目で見たとおり、網膜に映った
    とおりに正直に描けばいいんですよ」と答えることにしています。
    すると大方は「確かにそうだけど、それが難しいんです。」また
    は、「目で見たとおりに描けないんです。」という返事が返って
    きます。

      ではどうすれば、網膜に映ったままを紙の上に描き写すことが
    できるのでしょうか?
    それは反復練習です。
    目に見えたものを繰り返し描くことです。
    たぶんコレが最も早い上達法でしょう。
    この点についていえば、楽器の練習、スポーツの練習、仕事・・・
    全てにおいて共通していることだと思います。

      さて、絵画の上達を目指した反復練習ですが・・・・
    いつ、どのように練習しましょうか?
    学校の宿題がいっぱいですか?
    毎日残業続きですか?
    日々の家事に追われていますか?
    日ごろの忙しい生活の中で、絵を描く時間をどのように見出せる
    でしょうか・・・

      小さなスケッチブックをポケットに忍ばせ、胸ポケットのメカ
    ニカルペンシル(日本語でシャープペンシル)1本で、いつでも
    気軽にスケッチを楽しむことができるでしょう。
    描く時間は10分もあれば・・・、いや5分あれば十分です。
    描くものは何でもいいんです。
    駅のホームで電車を待っている間ベンチに腰掛けて、道徳を欠い
    た人が投げ捨てたタバコの吸殻でもスケッチしてみましょうか。
    網膜に映ったとおりに、その吸殻を上手にバランスよく描けるで
    しょうか?
    スケッチに没頭してしまって目的の電車に乗り損ねないように気
    をつけてください。

      お友達といっしょに絵の練習をされる方なら、きっとお互いの
    作品を見せ合うことでしょう。
    もしあなたが「隣にいる友達より私の方が上手だわ」と思ったな
    ら、是非それを励みに引き続きがんばってください。
    もし「私より隣にいる友達の方が絵が上手だ」と思ってしまった
    方、どうか落胆なさらないでください。
    隣人とではなく、過去の自分と比較しましょう。
    スケッチブックをさかのぼり、一週間前の絵と今の絵とを比べて
    みてください。
    どうぞ、1ヶ月前のあなたと今のあなたを比べてみてください。
    確実に上達していることがお解かりになるはずです。
    そう、絵画は描き続ければ確実に上達するのです。
    どうぞ、それを励みにがんばってください。


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Copyright.(C) 1998 Yamada Tadaaki